2025年10月10日金曜日

食欲の秋と知覚過敏

みなさんこんにちは。秋が深まる10月は、食事がおいしい季節だからこそ、歯の健康を意識してもらいたい時期になります🍁 

食欲の秋を楽しむために、今回は知覚過敏のお話をしたいと思います。


〇酸っぱいものがしみるのはなぜ?果物と知覚過敏の関係 

秋は、みかんやブドウなど、酸味のある果物がおいしい季節ですね。みなさんは、酸っぱいものを食べると、歯が「キーン」としみると感じたことはありませんか? 

それは知覚過敏のサインかもしれません。 

知覚過敏は、歯の一番外側にあるエナメル質が削れたり、歯周病で歯ぐきが下がったりして、象牙質がむき出しになり、おこります。 

象牙質には、神経につながる小さな穴(象牙細管)がたくさん開いています。 

酸っぱいもの、冷たいもの、甘いもの、また歯ブラシの毛先がこの穴から神経に伝わると、「キーン」という痛みを感じてしまうのです。 


〇知覚過敏の対策3選 

優しい歯磨き

歯を強く磨ぎすぎると、歯ぐきが下がり、知覚過敏の原因になります。力を入れずに優しく磨きましょう。 

・専用の歯磨き粉を使う 

知覚過敏の歯磨き粉には、むき出しになった象牙細管を塞ぐような成分が含まれています。効果を実感するまで、数週間続けてみましょう。 

食後のうがい 

飲食した後は、水で軽く口をゆすいでから、歯を磨くのがおすすめです。 


「たかが知覚過敏」と放っておくと、虫歯や歯周病が隠れていることもあります。気になる方は、一度当院にご相談ください。 

2025年9月16日火曜日

歯周病と糖尿病は意外な関係!

みなさんこんにちは。最近は、夏の暑さが徐々に和らいでいくのが感じられますね。過ごしやすくなる季節は、生活習慣や健康への意識が高まる時期です。夏の疲れをリフレッシュし、秋に向けてお口の健康を整えるために、歯周病と糖尿病についてお話したいと思います。



一見関係なさそうに見えますが、実は密接な関係があるんです。

糖尿病になると、血糖値が高い状態が続きます。この状態が、お口の健康に悪影響を与えます。


1.糖尿病になると、なぜ歯周病が進行する?

細菌が繁殖しやすい

血糖値が高いと、唾液に含まれる糖分が増え、歯周病菌が繁殖しやすくなります。

免疫力の低下

糖尿病の方は、免疫力が低下し、歯周病が進行しやすくなります。

血流が悪くなる

細い血管の血流が悪くなるため、歯肉に栄養や酸素が届きにくくなり、歯周病の治りが遅くなります。


2.歯周病になると、なぜ糖尿病が悪化する?

今度は逆に、歯周病が糖尿病に与える影響です。

炎症物質が全身へ

歯周病菌が出す炎症を引き起こす物質が、歯肉の血管から全身に広がります。

インスリンの働きを邪魔する

全身に広まった炎症物質が、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の働きを邪魔して、糖尿病が悪化します。


このように、"糖尿病になると歯周病が悪化し、歯周病が悪化すると糖尿病も悪くなる"という事態に陥ってしまうことがあります。

この2つの病気は、片方だけを治療しても、なかなか改善しないことがあります。だからこそ、両方を同時に管理していくことがとても大切です。


歯周病の治療は、お口の健康を守るだけでなく、全身の健康を守ることにつながります。

みなさん、一緒に健康な体と健康なお口を目指しましょう✨

2025年8月26日火曜日

唾液のすごい力

みなさんこんにちは。今回は、普段あまり意識することのない「唾液」についてお話ししたいと思います。

唾液は、お口の健康を守るうえで、とても重要な役割を果たしています。


1.唾液の役割

唾液には、お口の健康を守るために欠かせない、主に3つの働きがあります。

自浄作用

食べ物のカスや細菌を洗い流し、お口の中をきれいに保ってくれます。この働きがあるからこそ、私たちは食事の後に虫歯菌が増えるのを抑えることができます。

緩衝作用

食事をすると、お口の中は酸性に傾きます。この酸は、歯のエナメル質を溶かしてしまうため、虫歯の原因になります。唾液は、この酸を中和し、お口の中を中性に保つ「緩衝作用」を持っています。

再石灰化作用

酸によって溶けだした歯のミネラルを元に戻す「再石灰化」を促す働きです。唾液に含まれるカルシウムやリンなどのミネラルが、溶けだした歯の成分を補い、歯を修復してくれます。


2.唾液を増やすための簡単習慣

唾液の力を活かすためには、唾液の量を増やすことも大切です。今日からできる簡単な習慣を3つご紹介します。

よく噛んで食べる

食べ物をしっかり噛むことで、唾液腺が刺激され、唾液の分泌量が増えます。普段より一口に時間をかけて、ゆっくり噛んでみましょう。

唾液腺マッサージ

唾液を分泌する唾液腺を直接マッサージすることで、唾液の分泌を促すことができます。

・耳下腺(じかせん):耳の前、顔と首の境目あたりを指でやさしく円を描くようにマッサージ✨

 

・顎下腺(がっかせん):顎の骨の内側、耳の下から顎の先まで、数か所を軽く押すようにマッサージ✨

 

・舌下腺(ぜっかせん):顎の真ん中、下から舌を押し上げるようにマッサージ✨

マッサージは、1日に数回、1分程度行うのがおすすめです。

水分補給をこまめに

体が脱水状態になると唾液の分泌が減ってしまいます。特に夏場は、こまめにお水やお茶を飲むことを心がけましょう。



唾液の分泌量は、加齢やストレス、薬の副作用などで減ってしまうことがあります。

「最近口の中が乾く」「口臭が気になる」といったお悩みがある方は、唾液の量が関係しているかもしれません。

今回ご紹介した簡単な習慣を、ぜひ今日から試してみてください。

唾液の力を味方につけて、一緒に健康なお口を保っていきましょう!